ハイドン:交響曲第93番ニ長調 ジョージ・セル/クリーヴランドo.
ハイドンは 交響曲の父 と呼ばれていて
100曲以上も交響曲を書いていますが、
今日我々がコンサートで聴くような大編成で大規模な曲ではなく
小編成の弦楽合奏に管楽器などが少し加わった程度のものが多く
演奏時間も20分から30分くらいの小規模なものがほとんどです。
18世紀後半はまだ楽器も発展途上だったのでしょう。
音楽史的にも
ハイドン→モーツァルト→ベートベン
のように語られることが多いのですが
ハイドンの93番以降の交響曲はモーツァルトの死後に書かれているので
交響曲の進化の過程としては
ハイドン→モーツァルト→ハイドン→ベートベン
というべきでしょう
ニ長調の交響曲としてな
モーツァルト38番 1786年
→ハイドン93番 1791年
→ハイドン96番 1791年
→ハイドン101番 1794年
→ハイドン104番 1795年
→ベートーベン2番 1802年
という流れになるわけです。
第1楽章 アダージョ→アレグロ・アッサイ (8'13")
セルの演奏は三拍子の角づけをきちんとした演奏で
軽やかな演奏が主流のいまでは珍しいかもしれません
ハイドンの交響曲の第1楽章は三拍子が多いです。
第2楽章 ラルゴ・カンタービレ (5'36")
かなり当時としては前衛的な音楽でしょう。そして無駄に長すぎないのがいい。
下属調のト長調でのどかに始まりますが
1'03"くらいで 突然ト短調のフォルテになって打楽器が鳴ります
(有名な94番の第2楽章より鮮烈です。)
そして曲の最後で静かに消えそうになると
TVのクイズ番組の不正解のようなブザーが鳴ります。(ファゴットでしょうか)
当時進行していたフランス革命に対する No の意思表示なのでしょう。
第3楽章 アレグロ (4'44")
ふつうのメヌエットながら
トリオの部分でやはり打楽器が鳴ります
第4楽章 プレスト・マ・ノン・トロッポ (4'40")
最後はハイドンらしい爽やかなフィナーレ
ここでもセルは角づけをしっかりしているので
やや重く感じるけど全体のバランスを考えるとこれくらいのほうがいい