ジカルボン酸
カルボキシル基を2個もつ ジカルボン酸 には
重要なものが多いと思うのだが
学習の盲点になっているのか知らない人が多いみたいだ。
直鎖飽和ジカルボン酸
HOOC-(CH2)n-COOH
n=0
HOOC-COOH
IUPAC名:エタン二酸 慣用名:シュウ酸
酸としては2価の弱酸で中和滴定の1次標準物質としてよく出てくる。
還元剤としてもしばしば登場、酸化されて二酸化炭素になる。
人体に対してはかなり毒性があり
シュウ酸カルシウムの溶解度が低いため
腎臓結石や尿路結石の原因になる
n=1
HOOC-CH2-COOH
IUPAC名:プロパン二酸 慣用名:マロン酸
コハク酸デヒドロゲナーゼの拮抗阻害(競争的阻害)の例としてよく出てくる
n=2
HOOC-(CH2)2-COOH
IUPAC名:ブタン二酸 慣用名:コハク酸
クエン酸回路に登場する
(脱離してフマル酸になり水が付加してリンゴ酸になる)
n=3
HOOC-(CH2)3-COOH
IUPAC名:ペンタン二酸 慣用名:グルタル酸
これ自体はあまり登場しないが
α位の水素をアミノ基で置換した グルタミン酸 は
代表的なアミノ酸として有名
n=4
HOOC-(CH2)4-COOH
IUPAC名:ヘキサン二酸 慣用名:アジピン酸
6,6-ナイロンの原料としてあまりにも有名
センター試験にもよく出題される
直鎖不飽和ジカルボン酸
マレイン酸 と フマル酸 が幾何異性体の例として受験に頻出
シス型のマレイン酸は加熱により脱水し、無水マレイン酸となる
芳香族ジカルボン酸
オルト メタ パラ の異性体にあたる
フタル酸 イソフタル酸 テレフタル酸 がある。
フタル酸は加熱により脱水して無水フタル酸になる
テレフタル酸はポリエチレンテレフタレート(いわゆるPET)の原料として受験頻出
単にポリエステルといえばこのPETのことをさすことが多い
フタル酸のエステルは一時環境ホルモンとして騒がれたのだが・・・・